西南の役従軍記解説

西南の役従軍記解説-2

 

これは垂水の郷土史研究の第一人者である故山之口栄之氏が昭和三年、十年戦役従軍者の話を集められて書かれたものである。特に中心をなしている立山健氏は十五才で従軍され、戦の当初より、田原坂、豊後路、可愛岳(えのだけ)、城山陥落まで従軍されていて、話も確としたものがあり転戦の経路もよくわかる。附録の地図は、同氏の転戦記録を図示したものである。立山氏は下宮出身である。その他数氏の談があるが全体を通して門出、行軍、人心、西郷隆盛の映像等が記載され、陣中のエピソード等の記載も興味ぶかいものがある。

時あたかも本年は西南の役百年にあたり、全県あげての行事や記念誌の発行が行われております。この機会に垂水としてもこの史料として子孫に語り継いで頂きたい。

昭和五十二年七月  垂水市史編集委員 町田満男